辛い時、どうすれば、それに向き合っていく事ができるでしょうか?

住職の人生相談コーナー

・・・なんでも質問箱に寄せられた「人生相談」
ここに、あなたと同じ悩みがあるかもしれません
目からうろこの回答があるかもしれません・・・

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遠藤 喨及
東京に生まれ、少年期をニューヨークで過ごす。浄土宗和田寺住職、タオ指圧/気心道創始者、ミュージシャン、平和活動家、ゲーム発明家など、さまざまな顔を持つ、タオサンガ・インターナショナル代表。 1990年頃より、北米各地、ヨーロッパ各地、中東、オセアニアなどの世界各地で、タオ指圧、気心道、また念仏ワークショップ等を行い始める。 また、それらの足跡によって、世界各地のタオサンガが生まれ、現在、各センターは、仏教の修行道場、タオ指圧・気心道などの各教室、海外援助を行っている。 遠藤喨及個人ブログページもご覧ください。 http://endo-ryokyu.com/blog/


◎住職は、第二次世界大戦や戦闘機、戦車などに関して、マニアックレベルで詳しいですが、興味を持ったきっかけは何ですか?

えっ、きっかけですか、、、?
子どもの頃、少年マガジンには毎週のように、特攻兵器の特集とかやっていましたしね。
そこで僕がよく思ったのは、そういう極限状況では、自分は何をどう考えるだろうか?どう覚悟するだろうか?ということでした。
もちろん、今でも、時々考えますけど。

そういえば、「パラダイス・ナウ」というパレスチナの自爆テロの青年たちを描いた映画があるんですが(中東の作品だと思います)、出発前に彼らはビデオ・メッセージを撮るんですね。
それで、「お母さん、水道管直しといたからね」とか言ってるんです。
神風特攻隊の映画で「お母さーん!」と言いながら突撃していくシーンを思い出しました。
憎しみから戦争する人なんていないですね。


◎喨及先生のインド放浪話、楽しく拝読しています(月刊タオサンガ「住職に聞く!」。

そのインドは60数年前まで英国の植民地でした。
10億以上も人口があり、広大な面積を誇り、気候も厳しく、文化も宗教も言語も多様なあの国を人口6000万人程度の英国が支配していたというのが実感できません。
英国とインドを支配、被支配の関係に分けたのはなんだったのでしょうか?
産業革命による兵器の差だけではないように思うのです。

数で少ないイギリス人が、多数のインド人を支配できたのは、各地方のマハラジャ(王侯貴族)はそのまま残しておき、彼らに農民を支配させる一方で、インドの産物を略奪するという二段構えの植民地支配の手段を取ったからですね。

イギリス人がはじめてインドに遠征したとき、この土地が誰のものかと村の人に順番に聞いていくんですが、「誰のものでもない」とみんなが答えるのです。
村長みたいな人も順繰りだったりして、一番権限を持つ人が誰かもよくわからないので、イギリス人は誰から土地を買ったらいいかわからなかったんです。
そもそも土地の所有概念がないので、考え方が根本的に違うんですね。

そこでイギリス人は、その時の村長らしいわけもわからない人にサインさせて、二束三文で土地を売るという契約を結ばせ、土地を自分のものにしていったらしいです。
まあ一応、英国紳士なんで、売買契約の上という体裁をとったわけです(苦笑)。

そもそも東洋の農耕文化は、村の集団作業。
その風土からは、個人所有の土地という概念は生まれなかったんですね。
一方、これに対して西洋の牧畜文化は、家族単位の個人プレイが可能。
土地の占有は生存の問題ですから、これを個人の所有物として来たのです。
現代の「土地の占有」という概念や個人主義はここから来ているのですね。

最初に述べたように、イギリス人の数が少なくてもインド全部の支配が可能だったのは、各地方のマハラジャにインドの各地方を支配させたからです。
ただし、それは今の世界においても、まるで同じ手法が使われているのです。
イギリスに手なづけられたマハラジャがインドの民衆を支配したように、今は多国籍企業に手なづけられた、各国中央政府の政治家が法案を通過させ、「法律によって民衆を支配していく」という構造になりつつあるからです(『貧困大国アメリカ』をご参照下さい)。

秘密保護法案やまたTPPなども、そのわかりやすい例ですね。たとえばTPPには、多国籍企業に損をさせたら、政府が賠償金を払わなければいけないという取り決めがあります。
ある南米の政府は、水事業を民営化にしたため、高額になった水道料金を払えずに止められた貧困層が多くいました。
このため、多額の賠償金を多国籍企業に払って公営に戻しています。

そもそも、水は空気と同じようなもので、商売の対象とすべきものであるはずがないのです。
民営にするということは、水をビジネスとするということです。
しかし麻生太郎氏は、水道を民営にすると良いと発言しましたね。
一体、何のためなんでしょう? (お互い、国民のためになる政治家に投票するように
したいものですね)

インドがイギリスの支配から脱し得たのは、人々が目覚めたからです。
僕は、当時のインドの人たちと同じように、今まさに、世界の人々が物心両面において目覚め、人間としての真の独立を目指す時代に来ていると思っています。


◎たくさんの人の前で話すと、あがってしまいます。
緊張しないおまじないがあれば教えてください。

僕も知りたい。
なにごとも、慣れるしかないですね。

◎心理学、宗教、精神世界、自己啓発書など、人の生き方、心の持ち方について書かれている本が沢山ありますが、どれが本当でどれがそうでは無いか、見分けるポイントはありますか?
自分が本当だと思えばそれでいいのでしょうか?

えーっ!? あなたにとってそれは同系統のものなんですか? 僕にしてみたら、それらは全部別のジャンルですが、、、。
まあ、あえて言うなら、好きか嫌いかではないでしょうか?

◎四十九日法要がありますが、四十九日間は死者の霊が、この世にさまよっているのでしょうか?

霊によるのではないでしょうか?
さまよわずに、浄土に直行する霊もいれば、執着があって、、、という霊も。


◎1年4ヶ月ほど休職中の者です。
ある日、体がしびれて動けなくなる発作(?)が起こるようになりました。
回数がどんどん増え、救急搬送される程ひどくなってしまったので、仕事を休まざるを得なくなっちゃったんです。

幾つかの病院に通ったんですが、検査しても結局原因は分からずじまいでした。
それで「異常なし」と診断されても、発作がおさまる事もなく…。
心配した古い友人(難病を抱えています)が、自分のかかってる先生を紹介して
くれたおかげで、事なきを得ました。
おかげさまで、今は、もう発作を起こす事はありません。

ただ、体の余力が無いのか、元気な時なら何ともなかった様な事が、今だに
体調に大きく影響してしまいます。(なので、まだお休み中です(苦笑))
仕方のない事だと頭では分かってるんですが、体調を崩して眠り続けた後など、
「私は何をやってるんだろう…」と、気持ちが塞ぐのが、やっぱりまだしんどい
なぁって。

辛い時、どうすれば、それに向き合っていく事ができるでしょうか?

辛いときは、神や佛と向かい合うしかありません。そして神や佛が自分の
身体を良くしてくれることをイメージしながら、人々のためにお祈りして下さい。

なぜなら、辛い体験というのは、自分が他の人の辛い体験を理解し、またその助けになるために天から与えられたアレンジメントだからです。
わが身の不幸を嘆くのではなく、良くなって他の人が幸せになることをするには、
どうするかを考えて下さい。